original


出版社: 青土社
出版されてから半世紀近く経つが、そのキャッチーなタイトルとスタイリッシュな表紙は全く年月を感じさせない。
本詩集は谷川氏が詩の"朗読"に感化された時期に描かれており、語りかけるような口語体の表現が心地いい。
どんなに好きなものも
手に入ると
手に入ったというそのことで
ほんの少しうんざりするな
どんなに好きなものも
手に入らないと
手に入らないというそのことで
ほんの少しきらいになるんだよ
「にがくもtenderな新詩集」の帯の通り、ほろ苦さと切なさとあたたかさにそっと包まれる一冊。(Suzuki Ayana)